ユネスコの世界遺産に指定されているオリンピック国立公園はアメリカ最大の温帯雨林の森での森林浴や壮大な景観が楽しめるオリンピック山脈へのハイキング、太平洋沿岸の長く美しい海岸の散策など、森・山・滝・湖・滝と見どころがたくさんあり、ユニークな楽しみ方ができる国立公園です。
野生動物に出会えるチャンスも非常に高く、シカやリスはもちろんのこと、エルクを見かけることもあります。
オリンピック国立公園約3700平方キロメートル、その周辺のオリンピック国有林約2500平方キロメートルと、合わせると東京都3個分の広さ!一度ですべての見どころを網羅するのは難しいかもしれませんが、オリンピック半島に広がる雄大な自然を楽しむべく、ぜひ押さえておきたいおすすめスポットをご紹介します!
オリンピック国立公園おすすめベスト5
ホー・レインフォレスト Hoh Rain Forest
オリンピック国立公園の森を楽しむ。
見どころ
オリンピック国立公園がユニークな理由のひとつは、温帯雨林があること。ホー・レインフォレストは年間降水量が約4000ミリメートルと、アメリカの中でも最も雨の多いエリアです。そのため、空高くそびえる針葉樹の原生林の幹や枝にもコケが生い茂り、大きなシダが地面を覆いつくし、独特の光景を作りだしています。もののけ姫とジュラシックパークの世界を掛け合わせたような景色を見ることができます。
楽しみ方
周辺にはたくさんのトレイルがありますが、ビジターセンター近くの2つのループ状の短いトレイル、ホールオブモストレイルとスプルースネイチャートレイルはとても歩きやすく、どちらも30分程度で楽しめます。
オリンピック国立公園最高峰のオリンポス山(2,432m)の中腹、氷河メドウズに向かう27kmのホーリバートレイルもここが起点になります。
アクセス
ホー・レインフォレストはオリンピック国立公園の西側にあり、ポートエンジェルスから車で約2時間です。ハイウェイUS-101の先、Upper Hoh Roadからアクセスできます。
ハリケーンリッジ Hurricane Ridge
オリンピック国立公園の山を楽しむ。
見どころ
ハリケーンリッジは、ホー・レインフォレストと並び特に人気の高いスポットです。シアトル近郊から日帰りアクセスも可能ということもあり、多くの観光客でにぎわっています。
車で行ける標高1,600メートルのビジターセンター周辺からは、南・東にオリンピック山脈、西にカスケード山脈、北にはカナダのバンクーバー島と360度息をのむ雄大な景色を楽しむことができます。また、野生動物(特にシカ)との遭遇率が高いことでも有名です。
楽しみ方
ビジターセンターでは、展望台から氷河の残るオリンピック山脈の荘厳な姿を見るだけでなく、オリンピック国立公園やハリケーンリッジに関する資料や展示を楽しむこともできます。ギフトショップにはかわいいオリジナルグッズがたくさんあるので、お土産を入手しても良いですね!
周辺に広がるたくさんのトレイルを楽しむのもおススメ。時間がない方や小さい子ども連れにおススメなのが、30分程度で往復できるサンライズビューポイント。ビジターセンターからは見えない北~東側の景色も楽しむことができます。
せっかくハリケーンリッジまで来たのだから、さらに良い景色を見に行きたい!という方におススメなのが往復2時間程度で行けるハリケーンヒルです。山頂からはオリンピック山脈はもちろんのこと、北側にカナダ、天気が良ければ南東方向にマウントレーニアまで見ることができます。
アクセス
ハリケーンリッジはオリンピック国立公園の北部にあり、ポートエンジェルスから車で約40分です。ハイウェイUS-101からHurricane Ridge Roadに入り、曲がりくねった道を約30分登ります。
ソルダック Sol Duc
オリンピック国立公園の森と滝を楽しむ。
見どころ
オリンピック半島にはたくさんの滝がありますが、中でも最も有名なのがソルダックの滝です。珍しく橋の上から見下ろす滝で、時期にもよりますが、激しく水が流れ落ちる様子を上から見ることができます。橋の上に立つと滝から立ち上る水しぶきが心地よく、特に雨の多い10~11月頃や、雪解けの始まる春など水量が多い時期は、音も迫力大です!
Sol Duc (ソルダック)はネイティブアメリカンの言葉で「温泉水」を意味し、温泉地としても有名です。アメリカでハイキングの後に温泉に浸かれるところはほとんどないので、せっかくの機会、両方合わせて行くのがおすすめです!
また、ソルダック川は鮭の遡上でも知られています。10月下旬~11月上旬にかけて、産卵のためジャンプしながら上流に向かう鮭の姿は一見の価値アリです!
楽しみ方
周辺にはたくさんのトレイルがありますが、ソルダックの滝へ向かうソルダックフォールズトレイルは木漏れ日やせせらぎの音など木々の呼吸を感じる美しいトレイルで人気があります。ほぼ平坦で、ゆっくり歩いても1時間弱で往復できるため、気軽に楽しむことができます。
時間に余裕がある方は、ソルダックの自然をさらに楽しめるラバーズレーンループもおススメです。
ハイキングの後は、ソルダックホットスプリングスへ。ロッジやキャンプ場で宿泊滞在もできますし、日帰りで温泉だけを楽しむこともできます。水着を着用してのプールのような温泉ですが、ぬめりのあるお湯と硫黄の香りが懐かしく感じられるはず!
アクセス
ソルダックはオリンピック国立公園の北側、ポートアンジェルスから約1時間です。ハイウェイUS-101でレイククレセントを過ぎ、Sol Duc-Hot Springs Rdからアクセスできます。
クレセント湖 Lake Crescent
オリンピック国立公園の森と湖を楽しむ。
見どころ
クレセント湖はハイウェイUS-101沿いに広がる三日月形の氷河湖。透明度が非常に高く、青く透き通ったとても美しい湖は訪れる人を魅了します。周辺を山に囲まれた静かな湖を見ながら日常を忘れ、自然を楽しむのにぴったりの場所です!
また、落差27mのマリミアの滝へもすぐ。そびえ立つ木々や穏やかに流れるせせらぎ、小さな木製の橋など、滝以外にも見どころが多く詰まっています。
楽しみ方
美しく透き通ったクレセント湖をとことん楽しむなら、カヤックやSUPをレンタルし、のんびり湖上で過ごすのがおススメです。せっかくなので、湖畔の歴史あるレイククレセントロッジに宿泊するとさらにバケーション気分が高まります。
クレセント湖周辺にもたくさんのトレイルがあります。マリミアの滝までなら往復30分程度で気軽に楽しむことができます。
もう少しチャレンジングなハイキングを楽しむなら、マウントストームキングトレイルがおススメです。急な岩場の登りなどがありやや上級者向けではありますが、上から見るクレセント湖は絶景です。
アクセス
クレセント湖はオリンピック国立公園の北側にあり、ポートエンジェルスから車で約40分です。ハイウェイUS-101沿いでアクセス容易です。
リアルトビーチ Rialto Beach
オリンピック国立公園の海岸を楽しむ。
見どころ
オリンピック国立公園の西、太平洋はシャイシャイビーチからカラロックビーチまで約100kmの海岸線にはたくさんの見どころがあります。中でもリアルトビーチは潮だまりや海食柱、打ち寄せた流木と緑豊かな海岸沿いの森がユニークな景観を作り出しています。中でもホールインザウォールと呼ばれる自然にできたアーチは必見です。
また、ここは生き物の宝庫で、さまざまな海鳥はもちろん、アシカやアザラシを見かけることも。4月から5月にかけては、ビーチから直接ホエールウォッチングができます。
楽しみ方
リアルトビーチからホールインザウォールまで、フラットな海岸沿いを歩きながら、景色を楽しんでください。潮だまりの生き物や海鳥を見たり、きれいな流木を探すのも楽しみのひとつ。満潮時は流木の上を歩くことになるので、ビーチを歩ける干潮時がおススメです。潮汐はコチラで確認できます。
ビーチでのキャンプもおススメ!天気が良い日には美しい夕焼けに心奪われること間違いなしです。
アクセス
リアルトビーチはオリンピック国立公園の西側、ポートエンジェルスから車で約1.5時間です。ハイウェイUS-101の先、La Push Roadからアクセスできます。
オリンピック国立公園を楽しむために
おすすめ日程
オリンピック国立公園の入り口となるのが、シアトルから車で2時間半のポートアンジェルスです。ハリケーンリッジだけであれば日帰りで行くこともできますが、2~3泊で見どころをまわりながら過ごすのがおススメです。
おすすめシーズン
雨が少なく、過ごしやすい気温となる6月~9月がベストシーズン。緑が濃く、野生の花があちこちで咲くなど、活気があふれています。
ただ、夏場でも風が冷たく感じたり、雨が降ったりするのがオリンピック半島。必ずウィンドブレーカーやレインジャケットなどを持っていくようにしましょう。
10月~5月までは一部の道路やキャンプ場、ビジターセンターなどが閉鎖されたり、時間を短縮している場合があります。詳細はオリンピック国立公園公式サイトでご確認ください。
必要なパス
目的地により、オリンピック国立公園に入園できるパスが必要になります。
ワシントン州でのハイキングに必要なパスについては以下の記事にまとめていますので、確認してお出かけください。