シアトル近郊をはじめ、ワシントン州内にはオリンピック国立公園やカスケードなどたくさんのトレイルがありますが、国立公園や国有林、州立公園に入る際はパスが必要です。そして厄介なことにパスには複数の種類があり、私もハイキングを始めた当初はかなり戸惑いました。
間違ったパスを掲示していると罰金!なんてこともあり得るので、この記事ではワシントン州内の国立公園を楽しんだり、ハイキングする際に必要なパスについて解説します。
また複数あるパスの中で、自分のニーズに合わせてどう選んだらよいかは以下の記事にまとめていますので、併せてご確認ください。
パス概要
パスの目的
国立公園や州立公園は、訪れた人が気持ちよくアウトドアを楽しめるよう、トレイルの整備、キャンプ場のクリーニング、ゴミやトイレの管理などの維持管理が行き届いています。いずれのパスもこうした維持管理費用に充てられています。
パスが必要な場所
基本的には、以下に入る際にそれぞれ異なるパスが必要になります。
- 国が管理するNational Park(国立公園)
- 国が管理するNational Forest(国有林)
- 州が管理するWashington State Park(州立公園)など、指定されたエリア
一方、カウンティやシティが管理する公園やトレイルでは、基本的にはパス不要です。
つまり、管理者によって「パスが必要?不要?」「必要な場合どのパス?」が決まるので、出かける前に、目的地を管理するのが国なのか?州なのか?それ以外なのか?を確認するようにしましょう。
年に数回パス不要で入園できる日が設定されています。Fee Free Days
無料で楽しむ良い機会ではあるのですが、混みあうため、ゆっくりハイキングを楽しみたい場合は逆にこの日を避けて訪問する方が良いかもしれません。
パスのタイプ
大きく分けて3タイプのパスがあり、それぞれについて詳しく見ていきます!
NATIONAL PARK PASSES
ナショナルパークパス
オリンピック国立公園やマウントレーニア国立公園へ入園する際
NORTHWEST FOREST PASS
ノースウェストフォレストパス
オリンピックやカスケードなど国有林のトレイルヘッド
DISCOVER PASS
ディスカバーパス
ワシントン州が管理する州立公園等のトレイルヘッド
ナショナルパークパス National Park Passes
ワシントン州内にある国立公園のうち、オリンピック国立公園とマウントレーニア国立公園でパスが必要です。
- Olympic National Parks (オリンピック国立公園) ➡ パス必要
- Mount Rainier National Park (マウントレーニア国立公園) ➡ パス必要
- North Cascade National Park (ノースカスケード国立公園) ➡ パス不要
- San Juan Islands National Historical Park (サンフアン諸島国立公園)➡ パス不要
園内のキャンプ場に泊まる場合やテント泊登山する場合など、別途キャンプ料やバックカントリーパーミットが必要になります。
種類と価格
単回パス(エントランスフィー)
1回のみ7日間有効のパスで、入園手段により価格が変わります。(商用車については省略)
- 自動車: 30ドル (15人以内の同乗者含む)
- オートバイ: 25ドル
- 徒歩、自転車:15ドル (15歳以下は無料)
年間パス(各公園限定)
オリンピック国立公園またはマウントレーニア国立公園のいずれか一方だけの年間パスです。
- オリンピック国立公園 年間パス: 55ドル (マウントレーニアでは使えない)
- マウントレーニア国立公園 年間パス: 55ドル (オリンピックでは使えない)
アメリカ・ザ・ビューティフル
ワシントン州内だけでなく、ヨセミテやイエローナイフといったアメリカ全土の国立公園で使える年間パスです。複数の国立公園や国有林を訪れる予定がある場合に便利です。
- 一般 年間パス:80ドル
- シニア(62歳以上) 年間パス:20ドル、 ライフタイムパス:80ドル
ミリタリーやハンディキャップなど一定の条件に当てはまる方は年間パスが無料になります。
※いずれも別途手数料や送料がかかることがあります。
オンラインで購入する方法
単回パス・年間パスは各公園の購入サイト(オリンピック国立公園・マウントレーニア国立公園)で購入し、プリントアウトして持参します。
アメリカ・ザ・ビューティフルはUSGSサイトで購入できます。カード型のパスが必要なため(プリントアウトでは使えないため)、購入後郵送で受け取る必要があります。その他、DiscoverNWやアウトドアショップREIのオンラインストアでも購入可能です。
直接購入する場合
単回パス・年間パスは各公園のエントランスブースやビジターセンターで購入できます。
アメリカ・ザ・ビューティフルは国立公園のビジターセンターや国有林オフィスなどで購入できます。場所の詳細はUSGSのサイトでご確認ください。なお、シアトル近郊ではREIフラッグシップ店でも購入できます。
ノースウェストフォレストパス Northwest Forest Pass
ワシントン州内にある国有林(National Forest)のトレイルヘッドのうち、トイレやピクニックテーブルなどの設備があるところで掲示が求められます。スノーレイクやカスケード、オリンピックなどメジャーなトレイルヘッドのほとんどが該当します。目的地が該当するかわからない場合は、ナショナルフォレスト公式サイトでご確認ください。
アメリカ・ザ・ビューティフルを保有している場合は、このパスが必要となる場所もカバーされているため、ノースウェストフォレストパスを併せてもつ必要はありません。
逆に、このパスではオリンピック国立公園やマウントレーニア国立公園には入れません。
種類と価格
- デイパス:5ドル
- 年間パス: 30ドル
通常、このパスは自動車1台あたりで同乗者が含まれますが、セント・へレンズ山など一部別料金がかかるところがありますので、公式サイトでご確認ください。
いずれも別途手数料や送料がかかることがあります。
オンラインで購入する方法
プリントアウトして使えるeデイパスはDiscoverNWのサイトで購入可能です。年間パスは購入後郵送受け取りとなりますが、DiscoverNWやUSGSで購入できます。
直接購入する場合
国有林のサービスオフィスまたはREI等のアウトドアショップ等で購入可能です。購入できる場所はコチラで確認できます。
ディスカバーパス Discover Pass
ワシントン州立公園(State Parks)をはじめ、州が管理するトレイルヘッドに駐車する場合に必要で、キャンプ場や公園、トレイル、水辺へのアクセスポイントが含まれます。徒歩や自転車の場合はパス不要です。
アメリカ・ザ・ビューティフルでは州立公園はカバーされません。
種類と価格
- デイパス: 10ドル
- 年間パス: 30ドル
年間パスは車2台まで登録可能です。(登録といっても、パスにナンバープレート番号を書き込むだけですが…)
いずれも別途手数料や送料がかかることがあります。
オンラインで購入する方法
デイパス・年間パスともにディスカバーパス公式サイトで購入可能です。デイパスはプリントアウトして使用、年間パスは郵送受け取りとなります。
デイパスをプリントできない場合やトレイルヘッドに着いてからパスが必要なことに気づいた場合など、その場で購入手続きをして、トランザクション番号と日付を書いた紙をダッシュボードに掲示してもOKです。
直接購入する場合
有人ステーションのある州立公園をはじめウォルマートなどの大手小売店で購入できます。購入場所はコチラで確認できます。
パスの使い方
エントランスブースがある場合
ハリケーンリッジやソルダックなど、エントランスブースがある場合は、そこでパスと身分証明書を見せて通ります。その後も国立公園内にいる間はバックミラーにパスを下げておくと安心です。
エントランスブースのないトレイルヘッド
トレイルヘッドの駐車場に停めている間、パスが外から見えるようにバックミラーにぶら下げて掲示しておきます。
ディスカバーパスが必要な場所には、必ず「DISCOVER PASS REQUIRED」の看板が出ているので忘れることはないのですが、国有林のトレイルヘッドなどは案内がなく、パスの掲示を忘れがちなので気を付けましょう。
最後に
私はオリンピック国有林のトレイルヘッドで、レンジャーが違反切符を切っている場面に出くわしたことがあります。そのときトレイルヘッドに停まっていた車の3分の1以上が切符を切られていてビックリ!!
罰金は300ドル以上になります。複数あるパスの中から自分に必要なパスがどれかしっかり選んで入手し、必要なパスをしっかり見えるように掲示しましょう!
選び方については以下の記事を参考にしてください。